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  Wimo Ambala bayang
ウィモ・アンバラ・バヤン
 
     
     
  【プロフィール】
1974年マゲラン生まれ。1996年ISI記録メディア学部写真学科入学。休学を交えつつ現在も在学中。友人らと独自の展覧会を開催するなど、芸術の世界とビデオアートの世界で活躍中。写真、ビデオアート、映画制作、すべてに興味があるが、この3年間は特にビデオ制作に情熱を注いでいる。アメリカのNPOの活動資金を得て、チェンマイなどでも作品を発表。2005年9月より中華人民共和国雲南州に滞在し、ビデオ制作を行っている。


■AYISについて

 この作品は、実はジョクジャカルタ・ビデオ・プロジェクト2004以前に完成していたのですが、「ストリート・カルチャー」という主題に合致していたので、教授たちが出してくれたものです。

 AYISは、路上に生活するいわゆるストリート・チルドレンで、撮影の1ヶ月前に知り合いました。彼は仕事になりそうな雑用は何でもして生活しています。最初に出会ったのは、友人の展覧会がタマン・ブダヤという美術ホールであって、そのときにAYISが駐車場係として働いていました。出会ったときに、ボクが持っていたカメラを見て、AY ISが「貸して~」と言い、手にとって撮し始めました。AYISのことをよく知らなかったので正直不安だったのですが、しばらくしてAYISが戻ってきて、「この人はこう、あれはこう」と説明してくれました。それがとても面白くて、なんで彼について行って撮影してドキュメンタリーにしなかったんだろう!(笑)と思いました。それがこの作品のアイディアの始まりです。

 初めは彼との間に信頼関係がなかったので、それから「彼なら大丈夫」という信頼関係が出来るまで、1ヶ月ぐらいかかったわけです。その後で、彼の視点で自由に撮影してもらうために、テストを重ねました。この作品は、AYISの頭の上に付けたビデオカメラ、手に持ったデジタルカメラ、彼を外側から撮る別なビデオカメラ、計3台で撮っているという仕掛けを理解してもらうと、より面白さが分かると思います。そのために冒頭に字幕でそのような説明もしました(*日本語版字幕では省略)。撮影自体は、1日で終了しました。編集は半日かな(笑)?

 日本での感想は両極端だったようですが、まあ、画面が揺れていて見にくい、見ていて酔っぱらう、という感想はジョクジャでもあります(笑)。

 この撮影地、プリンハルジョという市場は、現在は再開発のためにもう存在しません。その意味でも貴重な文化遺産となる作品だと自負しています。

2005年8月27日 聞き手:石田佐恵子 通訳:笠原里愛



■ジョクジャカルタ・ビデオ・プロジェクト2006 新作について

 AYIS以降、ウィモ・アンバラ・バヤンは、新作を10作ほど制作。これらの作品は、2006年にてれれで順次公開予定。

1.ノト・ノト・ノト(nootnootnoot)37秒
友人の家に遊びに行ったら「自分の家のように好きにして」と言われた。そこにあるものを「好きに動かして」短い時間で撮影した作品。

2.ワス・ウェス・ウォス(wasweswos) 1分48秒
インドネシア人が話すいろんな外国語のいろんなフレーズ、インドネシア語に吹き替えられた外国映画のシーンをサンプリング。グローバル化する日常を切り取った作品。

3.「はい、チーズ!」(smile please) 2分9秒
友人に「はい、チーズ!」と言ってデジカメを向けた。でも撮ったのは写真じゃなくてビデオ。ユーモアあふれる作品。

4.探しても探しても(search n destroy)2分15秒
見たい番組がどうしても見つからない、、でもテレビを見るのをやめられない、、そんなイライラを映像にしたら、、、

5.ビデオ・バトル(video battle) 46秒
古い映画をサンプリングの手法で「戦わせて」みた作品。

6.忘れた、忘れてない、忘れた、、(4get it.4get it not)9分13秒
交通量の多い街頭に、スハルト元大統領とスカルノ元大統領、そしてパンチャシラのレリーフが飾られている。彼らが強力に推し進めてきた政治理念、理想(パンチャシラ)について、人々は既に忘れ去り、まったく気にしていないように通り過ぎていく。政治の空洞化、公定ナショナリズムに対する風刺のきいた作品。
 
     
 
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