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  Syuko Shimonobo
下之坊修子(しものぼう しゅうこ)
 
     
     
  【プロフィール】
1950年生まれ。カフェ放送てれれ主宰者。大阪、江坂に開設されたウーマンズ・スクールでのビデオ講座受講をきっかけに、42歳からビデオ制作を始める。同ビデオ講座の修了生仲間とともに、女性のための女性による映像制作集団、ビデオ工房AKAMEを設立。2006年1月より、「映像発信てれれ」というグループを立ち上げ、独立ビデオ制作者として活躍中。ビデオ作品多数、大阪府内でビデオ講座講師も多く務めている。


■「カフェ放送てれれ」について 

 カフェ放送てれれは、2003年1月から始まったのですが、その2年ほど前かな、フランスのパリに取材に出かけて、「テレボカル」というカフェ放送のグループを訪問しました。それまでも、自分でも制作してきたし、ドーンセンター(大阪府立女性総合センター)などのビデオ講座にも講師として携わってきたけど、とにかく自主制作した作品をひとに見せる場所は限られていた。ヨーロッパやアメリカの「市民チャンネル」「パブリック・アクセス」の考え方に触発されて、そういうのが大阪にも欲しいなーと考え始めました。

 私はテレビ出身というわけではないから、「テレボカル」の試みは、カフェで放送するというところがテレビよりずっと身近だったし、これならできる!と思って。「テレボカル」の彼らも言っていましたが、テレビという場所が使えるようになったとしても、「顔と顔が見える関係」での上映が大切で、作品を見せて話し合う場、それを守って行きたいと。そういうのが、面白かったし、やりたかった。「誰もが発信していく」ことがなによりも大切で、そのための場所が欲しいと思ったのがきっかけなんです。

 今は大阪から移動したりしてだいぶ減ってしまったのですが、てれれのオリジナル・メンバーは20名ほど。2002年に声をかけて有志が集まった。比較的時間が自由になる、学生やフリーターが結構多かったかな。

 「てれれ」という名前は、パラグアイの言葉で「お茶」。うちのメンバーの妹がパラグアイに行ってきて、口癖のように「てれれしよう〜!」と言っていたのに由来しています。朝起きるとみんな集まって、まず「てれれ(お茶)」。お茶を飲みながらえんえんと話をする、その雰囲気がとてもいいと思った。そのアイディアをカフェ放送の名前にしようと思ったのです。

 ビデオ制作を始めたのは、ウーマンズ・スクールでのビデオ講座受講がきっかけだったのですが、その頃子育ても一段落し、自分の人生どうしようかーと、揺れ動いていたときに、何かしよう!したい!と考えて、これだ! という感じでビデオに出会ったんですね。若い頃から映画や演劇にも関心はあったけれど、そういうものとはあまり縁のない暮らしをしてきて。でも、今では「もうこれ(=ビデオ制作)しかない!」という感じ。子ども時代からマンガはすごく好きだったけど、ビデオは企画から編集まで自分でできる!という感じが似ているのかもしれません。

*参考作品 「ビデオ工房AKAMEの10年」2002年 おんなたちの映像祭・大阪


■作品『テレビじゃなくててれれ』(2005/09)について

 マスメディアから受け取る情報ではない情報の大切を訴えたい。でもそういう大層なことではなくて、とにかく私って「てれれがすごく好きなんだ!」って、そういうことに気づいた作品。何でもいいから、「とにかく面白いよ!」「一緒に面白いことしよう!」っていうメッセージを伝えたい。


■作品『アートポンプ in えべ白馬』(2003/10)について

 2003年、長野県白馬の大道芸人イベント「アートポンプ」に参加して撮影した作品。シタールとジャンべという組み合わせの面白さ。インドの楽器はとても好きで、自分の感性と合っていると思う。映像について、全体がぼやけて光が流れていくから、印象派みたいな加工をしている、という感想をもらったりしたようだけど、あれは全然、無編集・無加工なんです。シャッター・スピードを遅くして、音楽と一緒にカメラも踊り、自然に体が動いて撮影した。音で画を撮っていく、ということを試みた作品です。


■作品『I was a happy child』(2005/01)について

 これも同じく、2004年に白馬に行ったときに出会った弾き語りのアーティスト、阿部ひろ江さんの歌と背景の大自然を撮影。彼女の歌と周囲の風景がとてもマッチしていて、とても好きな作品。

2005年8月21日 聞き手&構成 石田佐恵子
 
     
 
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