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頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム~EU枠内外におけるトランスローカルな都市ネットワークに基づく合同生活圏の再構築

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月例報告書(2013年11月度)中谷良

中谷良


派遣初月は研究の生活環境を整えるための準備期間であった。
現地時間の11月5日18時30分頃にボローニャ空港に無事到着したが、すでに日がくれていた。ボローニャのチェントロ(中心街)にホテルを予約していたため、急いでホテルへと向かった。ホテルはザンボーニ通りに面するボローニャ大学すぐ隣に位置しており、始終学生たちで活気づいていた。
 

写真1 ザンボーニ通りに面する広場

大学付近に留まらず都市全体が非常に活況を帯びているというのが私のボローニャへの第一印象であった。
特に二つの塔 (Due Torri) からのびるリッツォリ (Rizzoli) 通りと都市を南北に走るインディペンデンツァIndipendenza通りは常ににぎわいを見せている。今月の17日(日)にはRizzoli通りに面するマッジョーレ広場でチョコレートショーが開催され、多くの人がチョコレートに釘付けになっていた。

 
写真2 チョコレートショー

最初の二週間は滞在許可書の申請などの事務的な手続きや滞在先の決定に忙殺された。
滞在先のアパートは幸運にも3人のイタリア人とルームシェアをするという形で落ち着いた。チェントロの郊外に位置するが、バスに乗れば約15分でボローニャ大学の歴史学科に到着することができる。閑静な住宅街に位置しているため、研究に集中するための最適な滞在場所といえよう。

ルームシェアする3人のイタリア人は全員ボローニャ大学の学生であった。
3人の出身地域は北イタリア、中部イタリア、南イタリアとそれぞれ異なっている。そのため3人のイタリア語の発音や話し方にも若干の差異があり、特に南イタリア出身の学生の発音が聞き取りづらかった。彼自身も自分の故郷の言語はほかの2人にまったく通じないから、私とともに「イタリア語」を勉強しなくてはいけないと冗談まじりで語ってくれた。まだイタリア語での会話能力に乏しい私にとって、彼らとの交流は言語面だけでなく様々な面で私自身の成長の糧になると思われる。

 
写真3 滞在先のアパートからの風景

20日(水)には、ボローニャ大学の歴史学科にてお世話になるMaria Giuseppina Muzzarelli教授と面談することができた。その時にムッザレッリ先生から直接私の研究指導にあたるBerardo Pio氏を紹介していただいた。ピオ氏のご専門は13世紀から14世紀における教会政治史である。来月初頭にピオ先生から私の研究に対するご指導いただける予定である。


写真4 ベラルド・ピオ先生 研究室にて撮影を許可していただいた。
2014/01/15 15:00