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頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム~EU枠内外におけるトランスローカルな都市ネットワークに基づく合同生活圏の再構築

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月度報告書(2014年3月度)中條健志

中條健志

今月は国立移民歴史館メディア・ライブラリーでの資料収集およびその読み込みがおもな活動となった。とくに1月~2月にかけて参加した研究会、学会あるいはデモ等で得た文献情報をもとに必要な資料を検索し、読み込みにあたっては、必要に応じてライブラリー担当者からのアドヴァイスを受けた。収集した資料は19世紀末以降の仏移民史にかんするもの、政策用語としての統合(intégration)概念の変遷にかんするもの、および移民歴史館設立をめぐる政治家の声明・発言を掲載した報告書である(写真1、2、3)。


写真1


写真2


写真3

受入教員のポーガム教授からは、引き続き自身の研究や翻訳作業にかんして指導を受けた(写真4)。とくに、研究テーマの一つである統合概念の変遷にかんしては、最新の研究動向や、関連する他の研究者を紹介していただいた。その他には、大阪市大との学術交流協定にかんする打ち合わせ――協定の内容や共同研究プログラムについて――、および2015年3月の開催を予定している国際研究集会の概要――テーマ、発表者、日程、会場等――にかんする打ち合わせをおこなった。その際、ポーガム教授を通じて「社会的不平等研究班」の他の研究者や、EHESSパリ・日仏財団理事長のセバスチャン・ルシュヴァリエ氏の協力も受けた。


写真4

参加したイベントの一つに、3月1日にレピュブリック広場で開催された反植民地主義にかんするデモがある(写真5、6)。これは、筆者が前月に参加した講演会を主催した市民団体「脱植民地主義」(Sortir du colonialisme)が組織するデモで、旧フランス領にとどまらず、世界各地域における植民地主義あるいは新植民地主義支配にたいする異議申し立てのための市民集会である。そこでは、同団体関係者だけでなく、他の参加団体代表者への聞き取り、および各団体作成のチラシ・パンフレット等の配布物の収集をおこなった。なお、前月の講演内容(発表原稿)は、同団体のホームページにて公開される予定である。


写真5


写真6
2014/04/21 17:00